横8の字宙返りは正宙返り、逆宙返り、∞(無限大)飛行を習得してから挑戦するとよいでしょう。
それができることを前提に説明してみましょう。
横8の字宙返りで墜落を招きやすいのは、交点の切り返しや大きさを揃えにくいことよりも、実は風の捌き方を間違えることで発生しやすいのです。
ベテランでもたまに、風のマジックにかかってしまい、演技中に機体が逃げたり暴れたりすることがあるのが横8の字等の演技になります。
ここでは、その基本をしっかりと把握して練習するのがよいでしょう。
最初は無風時に練習するのが良いでしょう。
図は、横8の字の練習を開始する場合の最初の飛行経路と注意点を記述しています。
1)高度1.5mの水平飛行から進入
宙返りは充分に練習して習得している前提での進入経路になります。
なれないうちは、2m以上からの進入でもよいでしょう。
水平飛行進入で必要でしたらウイップして加速させて進入させます。
2)穏やかなUPで宙返りへ
このときのポイントは、風下より5m程度手前から宙返りを開始することです。
宙返りの練習では、風下を少しすぎたところから宙返りを開始するように練習していますから、少しカッテが違うはずです。
宙返りの上空で機体が風に押され速度が減速する度合いが強くワイヤーが弛みやすくなります。
ですから、必要でしたら「風下より5m程度手前から宙返りを行う」練習のみから開始してもかまいません。
このとき、連続宙返りは行わないでください。
2回目以後の宙返りはますますワイヤーテンションが抜けやすく、墜落しやすいからです。
3)宙返り引き起こし
風下で実施する宙返りと異なり、低空で機体が一気に加速して降下してきます。
宙返りのタイミングと異なってくるので、機体の姿勢とコースを良く見て、加速を押さえずに底辺を通過させます。
4)上昇でUPを緩める
機体の上昇が90度となる手前でUPを緩め、機体をできるだけ上昇させるように操縦します。
5)充分に上昇させてDOWNを切る
逆宙返りは風下で実施していますので加速しやすくワイヤーも弛みにくくなっています。
6)DOWNを強めに切り、逆宙返りで引き起こし
逆宙返りは小さめでかまいません。
加速してますので一気に強いDOWNで引き起こします。
7)斜めに降下したらDOWNを緩め水平飛行へ
8)終了
横8の字宙返りは単純に正宙返りと逆宙返りを切り替えして実施すればよい、という単純なものではなく、うまく風を捌いて飛行コースを整えるのがポイントとなります。
1回目の宙返りは減速しやすく、ワイヤーが弛みやすいところをなんとかだましだまし実施するのですが、成功してしまえば、あとは加速しやすい位置での逆宙返りとなるのでワイヤーが弛みにくく演技がしやすいでしょう。
2回目の正宙返りは、逆宙返りで加速してますので、1回目の正宙返りよりも楽に実施できるようなります。
仮に、正宙返りを風下で実施した場合は、逆宙返りで減速しやすく、しかも2回目の逆宙返りはますます減速し、結局演技を中断、墜落等の確立が高くなります。
横8の字宙返りは、基本的に図のようなコースで機体の速度変化と舵の具合の変化を体感し、少しずつコースを整えるように練習するのが上達の近道に思います。
慣れてきた時の飛行コースについては次回の説明とします。