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エンジンをなんとかしよう Uコンスタント機向けのエンジン回転特性

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Uコンの飛行経路というのは、ワイヤーで制限されている球面の範囲となる。
飛行半径は15m~21.5mとなり、RC飛行機等に比べて非常に狭い。
また、エンジンはスロットルがなく一見出力調整ができるような仕組みがない。
これが、Uコンスタント機の厳しい条件になっている。
 
仮に、常に一定の出力でスタントを行うとどうなるのか?
これは最近流行の一定スロットルで飛行させる電動Uコンスタント機で体験することができる。(Gセンサーつきタイマーは別ですよ)
 
体感的には、
・上昇が鈍い
・降下の加速が大きい
・風下演技で加速しやすい
・上空の演技で減速しやすくテンションが保ちにくい
ということが発生する。
 
これは、上昇、降下、飛行高度変化のたびに周回秒数がきめ細かく変化することに相当し、速度が変化するたびに風圧が変わり舵の利き具合が変化し、結果、思ったとおりの飛行経路に操縦することが難しい、ということに繋がる。
では、常に一定速度で飛行すれば飛ばしやすいのか?というと、そうでもない。
メリハリのあるダイナミックな飛行というのは、適度な加速減速の範囲でタイミングよく加速減速することで、見ごたえのある演技になりえることになる。
結果として風にも強くなり、晴天微風でもキビキビと飛行するようになる。
まあ、この辺はあくまでも自論であると受け止めてもらいたいが。
 
では、具体的にエンジンの回転特性がUコンスタント向きであるかどうか、どのように判断するのであろうか?
 
自分の方法はテストベンチでのニードル開度にエンジン出力が素直に追従するかどうか、で判定している。
つまり、飛ばす前から特性を把握し、設計、調整方針を決めてしまうことになる。
このことでエンジンに無理させず故障させにくいように扱えることができるし、エンジン不調のリスクを回避することができるようになる。

テストベンチでは、ニードルを絞ることで回転が上がり4サイクル運転から2サイクル運転に変化して出力が上がる。
これはブレークイン時に体験することができるが、その変化が滑らかであることがUコンスタント機向けの回転特性となりやすい。
これだけではなく、2サイクル運転からニードルを開き4サイクル運転に変化する度合いも大切な観察点となる。
滑らかに変化すればよいのだが、大抵は、しばらく2サイクル運転が続き、いきなり4サイクル運転に変化し回転がグッと落ちてしまうエンジンが多い。
つまり、ニードルを絞ることには回転が追従するが、開くことに回転が追従しにくい、ということが多くなる。
このような回転特性のエンジンは、私は2-4-2の使用をあきらめて、2サイクル運転での使用を選択するようにしている。
当然飛ばしにくい特性となるので、プロペラでカバーするようにするのだが。
 
一方、ニードルに素直に回転が追従するエンジンが存在する。
ニードルを絞っても開けても素直に回転が変化するエンジン、これがUコンスタント機向けの回転特性をもった2-4-2で使用できるエンジンである、と考えている。
 
このようなエンジンは、昔のクロスフローエンジンに多い。
有名なところとしては、OS-S35やENYA45Sということになるのだが、絶版となっている。
最近では、クロスフローにこだわらず、シニューレエンジンでも、このような回転特性となっているエンジンが現れている。
有名なところでは、ENYA61CXLR等になる。
 
どうやら、回転特性は、クロスフロー、シニューレといった掃気方式に依存するのではなく、別の要素であることは確かだろう。
 
ということで、いろいろ考えてみると、エンジンの燃焼温度とグロープラグの点火タイミングが混合気の濃さで素直に変化しやすいエンジンが、Uコンスタント機向けの回転特性をもったエンジンとなりえる、という結果に至った。
 
では、どうすればそのようなエンジンとなりえるのか?
については、実はよくわからない。私がエンジン屋ではないためなのだが。
 
ということで、とりあえず手元のエンジンをテストベンチで回し、ニードル開度の回転変化の特性を見極めて回転特性を調べ、その結果に従った機体設計、プロペラ選択を行う、ということを行っている。
 
ちなみに15クラスエンジンでは、
OS15LAは2サイクル運転で用い、BLODAK15エンジンは2-4-2運転で用いることにしている。
使うプロペラも特性が異なるプロペラを用いることで良好な結果がどちらでも得られるようになっている。
 
もっとも注意すべき点は、エンジンを歪ませない、適切な負荷、混合気で運転させる、ということがある。
これを間違えるとどっちつかずの回転特性となり、しょーもないことにしかならない。
また、機体に対しての余裕馬力が少ないと、これもしょーないことにしかならないので注意が必要になる。
 
これをクリアできれば、適切な燃料タンク配管と配置にすることで良好な結果が得られやすい。
過去にこまごまと燃料タンクの圧力変化について記述したが、それらをきちんと受け止め、エンジンの回転特性にあった燃料圧力変化が起こる燃料タンクを選択すれば、エンジンもうまく回るようになる。
いろいろ試してもらいたいところだろう。

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