前回のブログ記事で、コメントで、重心位置の計測方法についての疑問が投げかけられたので、科学的な見識での重心位置の求め方について、あらためて記述することにしたいと思います。
航空力学では、大切にしている考え方に「相似則」という言葉があります。
これは、個別で発生する各種事象を、個別で見るのではなく、公平、公正に比較、整理、洞察するためのルールとなっていて、日常生活で身近なものとしては、モノサシ、や秤が相当するでしょう。
これは、個別で発生する各種事象を、個別で見るのではなく、公平、公正に比較、整理、洞察するためのルールとなっていて、日常生活で身近なものとしては、モノサシ、や秤が相当するでしょう。
飛行機の重視位置、というのは、前縁から??mmという表現では、大きさ、形が異なる場合は、本質的な重心位置としての比較が困難になります。
そこで、??%、という表現が用いられるのですが、相似則になるように、一定の科学的根拠に基づいたルールで計測するように定められています。
そこで、??%、という表現が用いられるのですが、相似則になるように、一定の科学的根拠に基づいたルールで計測するように定められています。
重心位置は、平均翼弦に対して前縁から??%の割合の位置に存在している、という表現が標準的であり、学術的に正しい、とされています。
よく、主翼付け根の翼弦長が??cmで、重心位置は前縁から??cmなので割り算したら??%だ、ということで、これを重心位置の数値として用いる方もいらっしゃるようですが、これは不正確な場合が多々あるので注意が必要ですね。
重心位置は、主翼付け根の翼弦長、ではなく、平均翼弦長に対して??%の位置となるのか?
で計測しなくてはいけません。
そうしないと、大きさ、形状etcが異なる飛行機どうしでの比較が曖昧になるためです。
で計測しなくてはいけません。
そうしないと、大きさ、形状etcが異なる飛行機どうしでの比較が曖昧になるためです。
とりあえず、スーパープライで、重心位置を求めた事例があるので、これで説明しましょう。
スーパープライは、いわゆるテーパー翼となっています。
写真は、重心位置を求めるために作図した内容となっています。
まず、平均翼弦長を求める作図を行っています。
黒線が主翼、水色の線が補助線、赤線が平均翼弦の線となります。
この作図の意味ですが、「片翼の面積重心を通る直線で、翼弦に平行な直線」ということになります。
この平均翼弦に対して、前後重心位置がどの程度の割合になってるのか?が、重心位置??%と表現されるわけですね。
作図方法については、各種、航空力学関連書籍で詳しく記述されていますので、そちらを参照してください。
なお、私は、過去に作成した機体は、ほぼ、この作図を、面倒ですが行い、平均翼弦を求め、重心位置の数値を割り出しています。
もちろん、スタントマシンもそのようにしています。
また、ついでに、重心位置ゲージを各機体の平均翼弦から求めて作成しています。
このことで、多数の飛行機の情報を誤差少なく集計することが可能になるわけです。