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15クラス練習機を作ろう オリジナル設計の重心位置を求める

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胴体設計の一部に、パーツ毎の重量分布を定めて重心位置を求める作業がある。
まあ、模型飛行機なので、とりあえず工作してから重心位置を計測、調整錘をのせる、という手順でもよいが、設計がまずい、工作がまずい等のことがあると、たっぷりと調整錘をのせないといけなくなる。
これは、ただでさえ重量に余裕のない模型飛行機にとっては、飛行性能の劣化となって現れ、不利なことになる。
ライトプレーン等であれば、「じゃあ、主翼を前後させて、つじつまをあわせよう」なんてことは簡単にできるが、主翼と胴体をがっちりと固定しないと強度を保てないので、しかたない、錘を積むか?となってしまう。
 
自作機を設計、作成していたときは、このジレンマは大きな悩みの種だった。
やはり、事前にパーツ毎の重量分布から重心位置を計算して予想することはできないのか?
と悩んでいて、行き着いた答えが、モーメント計算を自動的に行うパーツリストを作ればよい、ということに気がついた。
今回は、パーツリストを用いて、オリジナル設計のスーパープライの重心位置を求めてみることにした。
 
イメージ 1

写真は、胴体の側面図。
小さな重心位置マークがあるが、これがパーツ毎の重心位置となる。
 
 
イメージ 2
 
写真は、集計したパーツリスト
 
パーツ毎に
・グループ    パーツグループ名称
・パーツ     パーツの名称
・説明      パーツの説明
・完成重量    パーツ毎に電子秤でマメに重量を計測して明らかになった重量
・距離X      主翼前縁を0として、各パーツの水平方向距離を計測
・モーメントX   パーツ毎のモーメントを求める  完成重量×距離X で計算
・全備重量    完成重量の総和
・モーメント合計 モーメントXの総和
・重心位置    主翼前縁からの重心位置の距離  モーメントX / 全備重量 で計算
となっている。
 
注意することは、距離X=0 のところに重量をのせないこと、ここに重量物がのると、全備重量が大きくなり、しかし、モーメントXが必ず0となり、モーメント合計が減ってしまう。
こうなると、重心位置が前目に計算されてしまう。
大抵、前縁位置は重量物として集計することはないと思うので、これでよし、としている。
 
 
スーパープライは練習機だけあって、パーツ数は少ない。
私の自作機の場合は、この倍程度のパーツリストといつも格闘して設計している。
 
パーツリストは、工作の進捗によりパーツ毎の重量の数字の精度が変わってくる。
最初は、すべて「予想」になる。
パーツを切り出すたびに重量を計測して重量の数字の精度を高めてゆく。
そのたび、パーツリストの数字を更新して、その時点での重心位置を求め、変動を調べる。
 
工作のたびに、このパーツは重すぎる、パーツの予想重量が変?なんてことで格闘しながら、パーツの軽量化を行うか?強度は大丈夫か?パーツ予想重量がもともとおかしい(無理)のかを反省しながら、経験を積んでいくことができる。
そのうち、段々とパーツ予想重量の精度が高まり、構造についての考察が深まり、勘所、工夫が高まってくる。

結局は、軽量で丈夫な機体作成の技術となって自分に蓄えることができるようになってくる。
 
 
戦時中の戦闘機設計では、このパーツリストに相当する計算を、何人もの担当者で分担して手計算で行っていたらしい。
とても、ご苦労されたことだと思う。
 
現代では、PCでEXCELで簡単に集計できるようになったので、ありがたいことに思う。
数字を変更すれば、一瞬で重心位置を計算してくれる。
世代管理を行ってパーツリストを保管すれば、工作の進捗単位で重心位置の変動状況が把握できる。
 
 
まあ、ウンチクはこの辺にしておいて、計算された重心位置を考察してみましょう。
 
計算された重心位置は、約85mm(ベルクランク位置)になっている。
図面で指定された重心位置は、65mm~70mmとなっているので、?????状態となった。
 
スーパープライには調整錘10gがノーズに搭載するようになっているので、
重心位置あわせのために、この錘を増加させれば・・・・・
と、錘の重量を変更して設計重心位置になるようにしてみると
10g  -> 86mm
110g  -> 70mm
J;J;J; あと100g積まないと設計重心位置にならない。
どの重心位置が正しいんだ?
ということになった。
 
 
学生時代にスーパープライを作成して飛行させた経験では、寸法どおりに工作して、全うに飛行させた経験がある。
確か、ベルクランクあたりに重心位置があるので、「ずいぶん後ろなんだ」なんて思った、ぼんやりした記憶がある。
全うに飛行する重心位置が正しい、となると、設計指定重心位置は、かなり前なのでは?
ということになるが、なんともいえない。
そこで、重心位置をベルクランク位置にある前提でラインガイド位置の傾きを調べてきた。
傾き4度、ラインガイド位置として理想的な位置になる。
なるほどね。
あと、もう一つ疑問があった。
テールモーメントが2.08と、0.08という端数がついていることだ。
この当時の機体設計のスタンダードは、テールモーメントが2.0が大多数となっている。
仮に、重心位置を85mmで計算してみると・・・・
2.0に限りなく近づいた。
どうやら、指定重心位置の65mm~70mmの位置、というのが怪しいようだ。
 
 
これ以上は、実際に飛行させて見ないと判定できないだろう。
 
ちなみに、85mmで重心位置は、30%となっている。
多分、この重心位置が妥当なんだろうなあ
 
ちなみに、スーパープライの重心位置は、あえて後方になるように設計されている。
むやみに重心位置を前にすると、飛行しなくなる。
これは、薄翼単板の翼型ゆえの理由がある。
 
私のスタントマシンは10%としたが、一方スーパープライは30%、この差はなになのか?
というところだろう。

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