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エンジンをなんとかしよう その13 エンジンマウントのアレコレ

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エアラコブラP39のエンジンマウントでは、見事に失敗したわけですが、エンジンマウントに必要なことってなに?
ってことに、いろいろ考察してみましょう。
 
 
今回、しみじみ実感したことは、
「エンジンマウントは充分な剛性が必要」
ということになります。
 
 
剛性を高めるには、固い金属を用いる、ことは確かなのですが、必然的に重くなります。
飛行機である以上、できるだけ軽量化する必要がある、
という二律背反した要件を満たさないといけないわけです。
 
 
軽くて充分な剛性を出すためには?
ということで、様々な工夫がUコン飛行機で実施され、進化してきていることは確かでしょう。
 
 
ということで、私なりに工夫して体験してきたことをいくつかご紹介することにしましょう。
 
1)マウントプレート編
手軽に、マウントの剛性を上げ、軽量で充分な効果を実現する方法は、やはり、マウントプレートを用いること、になると思います。
但し、加工には充分に注意が必要で、特にエンジン取り付けラグの密着精度と、木材マウントの密着精度、歪まずに取り付け加工する、必要があります。
詳細の工作方法は、以下のところに記述していますので、参照してください。

「Uコンスタント機の工作の工夫、勘所 その1 (マウントプレートの工夫)」
 http://blogs.yahoo.co.jp/jpn33f134043/24647477.html
 
結局、模型飛行機は全体が木材でできていますから、金属のエンジンと木材の機体をどのように接触させることで、軽量で充分な制震機能を実現できるか?
という問題を解くことになります。
 
このような場合、有効な方法の考え方は、
固さを順次柔らかくして振動が到達するようにすること
になります。
 
この、順次、というところがミソでして、
固い->柔らかい の硬度の差が大きすぎると柔らかい構造物が振動で壊れてしまいます。
 
 
順次、については、いろいろ実験、経験して試しているところですが、工作できる素材としては、以下のものがありますね。
固い-------->柔らかい
金属->カーボン->桜材->ヒノキ材->ベニア->バルサ
 
 
固さの異なる部分の接触面は、できるだけ広いほうが有利になります。
マウントプレートは、接触面積を広げ、硬度が固く、桜材やヒノキ材との相性もよく、程よく手軽に制震機能を果たしてくれる優良パーツであることは確かでしょう。
 
 
ただ、気をつけないといけないのが、エンジンに対して歪んで取り付けてはいけない、
ということです。
 
制震対策としてマウントプレートを取り付けてきた、はずなのに、エンジンの回転が不安定、エンジンが焼けやすくなった、なんだ、こんなモノ!!
これだったら、木材マウントに直接取り付けたほうがいい。
という結果になった方々が大勢いました。
 
相談にのってよくよく観察すると、結局マウントプレートが歪んで取り付けてられていた、
という結論に達します。
 
点検方法は簡単で、マウントプレートにエンジンをのせると、カタカタ揺れてしまいます。
マウントの平面とエンジン取り付けラグとの相性が悪く、精度が出ていない、と判断できますね。
この状態で、エンジン取り付けビスを絞めると、エンジンがゆがみます。
その度合いは、木材の歪んだマウントに締め付ける以上にゆがみます。
エンジンは歪むとオーバーヒートを引き起こしやすくなりますからね。
マウントプレートは接触面積が大きく固いですからね。
こうなると、マウントプレートを取り付けるよりも、直接木材のマウントに締め付けたほうが歪みが少なくなるので、良好な結果となる、との判断も出てきますね。
 
 
が、ちょっと待ってください。
 
 
マウントプレートを精度を出して取り付ける方法はあり、可能です。
また、制震機能を充分に確保するためには、やはりマウントプレートは必要です。
 
ようするに、手抜き工作がまずいのでは?と考えてしまうんです。
なにごとも、肝心なところでの手抜きはいけませんね。
 
 
あと、木材マウントの木目も注意が必要です。
エンジンが取り付けられる面は、板目になることが大切です。
柾目で取り付けると、「割れる」「エンジンが沈み込む」現象がでてきますね。
 

2)ラジアルマウント編
イメージ 1
写真は、私が工作したラジアルマウントを加工して取り付けた機体の写真です。
カウリングとの接触面が痛んでいますが、この機体は300フライト以上を消化していますので、それなりに傷みは発生していますね。
エンジン下ろせばわかりやすい写真になるのですが、面倒なのでそのまま、
手抜きはいけませんね。
 
メーカー推奨のエンジン取り付け方法は、アルミのラジアルマウントでしっかりとエンジンを固定してください、という方法です。
エンジンの取扱説明書にも記述されているので、皆さん、ご存知ですよね。
 
非常に優れた方法なのですが、最大の欠点は、
「重い」
ことでしょうかね。
あと、既存のUコンスタント機は、Iビームマウントの構造なので、大改造しないと取り付けることができません。
 
 
ということで、私は、
「それだったら、最初からラジアルマウントを取り付ける前提で機体を作ってしまえ」
という考えで作成したことがあります。
 
ラジアルマウントは、ヤスリで贅肉を落として軽量化し、防火壁の胴枠は3mmベニアの3枚積層で工作しました。
Iビームマウントに付随する構造物は、全て見直しを行い、重量、強度、振動の伝わり方や制震機能を考えて、設計しなおしました。
 
結果は、非常に良好で、Iビームマウントと同等程度の重量で工作することができました。
もちろん、エンジン振動での問題は発生してませんし、安定性等の影響も発生していません。
ただし、設計、加工は大変でしたがね。
苦労した甲斐はあったようです。
(よかったよかった)
 
ちなみに、「手抜き」と「簡単」は違うと思うんです。
「手抜き」により性能が劣化することと
「簡単」だけども充分に性能が確保できる
これは、雲泥の差があると思うんです。
 
工作や取り扱いを「簡単」にする工夫は、とても大切に思います。
しかし、それを「手抜きして扱う」ことは、いけない、ということなんでしょうね。
 

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