模型飛行機を楽しむための、良い本 としてご紹介したい本、第14弾は
「飛行の秘術」 加藤 寛一郎著
です。
著作者である加藤 寛一郎氏は、航空機(実機)関連の工学博士ですが、実機のみならず、模型飛行機も趣味として楽しまれている方です。
実は、実機の設計と模型飛行機の設計は、その設計の発想や常識が大きくことなるところが多いのですが、その点について着目して記述された本が、「飛行の秘術」としてまとめられています。
根本的に、実機と模型飛行機の大きな違いは、「寸法効果」(いわゆるレイノルズ数)の違いにより、空気から発生する力の発生具合が大きく異なっていることに起因しているですが、実機とは大きくかけ離れたレイノルズ数になるので、学術研究の場では、それほど研究が進んでいない、という事情があったようです。
一方、模型飛行機を楽しんでいる方々は、必然的に実機とは異なるレイノルズ数での飛行を余儀なくされているわけだから、必然的に、模型飛行機のレイノルズ数の範囲で、あれこれ悩みながら飛行にいそしんでいることになりますね。
私自身も、実機では、これはよい、これがベストチョイスだ、という設計の常識は、各種書籍で学ぶことはしてきましたが、はたして模型飛行機では通用するのか?というと、まったく通用しないことを何度も経験したことがあります。
やはり、模型飛行機には模型飛行機なりの流儀があり、そこには「秘術」が存在していることは確かだろう、ということなんでしょうね。
この本は、実機の設計や常識をきちんと押さえた工学博士(常識人)が、一方、模型飛行機の、一見、非常識とも思える各種セオリーに光をあて、科学的に、一から考え直し、実は、模型飛行機の「秘術」が、実は、至極全うな「常識」であった、ということを、楽しく紹介しています。
模型飛行機の秘術について、科学的に光を当てている書籍、というのは、なかなか存在しないと思います。
そういった意味では、この本を手にしたとき、私にとっては、「待ってました」という気持ちがありましたね。
そういった意味では、この本を手にしたとき、私にとっては、「待ってました」という気持ちがありましたね。
模型飛行機が良く飛ばない、なぜだろう?
と考えている方には、是非、オススメしたい一冊です。