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ちょっと一服 ネジの増し締めについて考える

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エンジン周りの各種ネジについては緩みやすい。
確かに、そのような経験をしたことがある。
 
私も、初心者時代にはずいぶん悩んだ経験があった。
このころは、飛行場に到着したら、まめにエンジンマウントの増し締め、マフラーの増し締め、プロペラの増し締めを行った記憶がある。
 
ここで、ふと気がついたことがあった。
 
エンジンもネジで組み立てられている。
同じネジなのに、エンジンのネジは緩まないのに、エンジン周りのネジは緩んでしまうのはなぜだろう?と。
 
ということで、ネジの専門書を読んだことがある。
 
ネジが緩まない理由は、ネジを切っている部分が摩擦で固定されていることよりも、ネジの頭と部材が接触しているところ、つまり座面の精度が大切であり、ここの摩擦で緩まない、とのこと。
また、ネジの締めすぎは、ネジの座面の部分が歪んでしまうため、かえって緩みやすくなる、とのことだ。
 
確かに、エンジンのネジの座面の当たる部分は、精度高く平面に、平行に、かつ均一の充分な強度になるように削られている。
 
一方、エンジン取り付けビスやマフラー取り付けビスの座面の当たるところはどうなのか?
というと、充分な精度、均一の充分な精度、が確保されていないことが多い。
 
ということで、マフラー取り付けネジの座面とあたる部分は、きちんと精度、強度を確保することで、必要以上の増し締めは行わなくてもよいようにできる可能性があることがわかる。
 
特に、マフラーをバンドで止める場合、座面とあたる部分の精度、強度の確保が難しい場合がある。
とはいっても、メーカーで一応試験をクリアして販売されているので、使えないことはない。
実はコツがあって、
・バンドのネジの座面にあたる部分を、きちんとネジの座面と平行になるように修正して用いること。
・必ずスプリングワッシャーを入れること。
・ネジを締めすぎてバンドをゆがめないこと。
が必要になる。
 
ただ、マフラーをバンドで固定する場合、エンジン振動で、どうしてもバンドが変形してきて緩みやすいことも確かだろう。
バンドで止めるマフラーのネジは、飛行のたびに確認する必要もでてくる。
 
最近のエンジンは、マフラーをバンドで止める形式のエンジンは少ない。
また、ネジの座面に当たる部分の精度、強度がしっかり確保されるように工作されているので、スプリングワッシャーを入れておけば緩まないことが多い。
 
イメージ 1
写真は、BLODAK15のマフラーのマフラー取り付けネジの座面があたるところ。(赤丸)
実は、自分でヤスリで平面を出すように加工した。
これで、問題なく使用できている。
 
エンジン取り付けビスは、ネジの座面とあたる部分、つまりエンジン取り付けラグの上面の精度があまり確保されていない。
本来は、エンジン取り付けラグの上面の部分を精度出し加工すればよいのだが、さすがに素人には無理がある。
また、エンジンの金属と木材という固さの異なる部材をネジで固定するため、なおさら緩みやすいことは確かだろう。
ということで、私は、マウントプレートを愛用して克服している。
マウントプレートのエンジン取り付けネジは、マウントプレートの裏側に数ミリ飛び出るネジが付属している。
このネジを、長いものに交換して、木材に食い込む部分を木ネジのように使うことでネジが緩みにくくなる。
ネジの長さは、マウントを貫通する程度とし、2.5mmの穴を空け、マウントの厚さの2/3の深さまでタップでネジを切る。
こうすることで、ネジの先端は木ネジ同様マウント材で食い絞められて緩みにくくなる。
また、ネジには必ずスプリングワッシャーを用いることで緩みにくくなっている。
これでも緩む場合は、ネジロックを少量用いれば問題ないだろう。
 
イメージ 2
写真は、Starker81のエンジン取り付けラグ
ネジの座面があたる部分を加工して精度を出していますね。(赤丸)
 
イメージ 3
写真は、K&Sで発売されているクランクケースサポーター(金色のパーツ)
これも、ネジの座面があたる部分の精度を確保してネジが緩みにくくする工夫がされたパーツ、RCヘリ用として発売されている。

 
緩まないエンジン取り付けビスを実現するもう一つの方法は、タッピングスクリューを用いて止めるという方法もあるが、私は、あまり活用したことがない。
 
一方、プロペラについては、必ず飛行前に増し締めが必要になる。
特に木製プロペラの場合は必須の作業となる。
木材はナットで締め付けられると、時間がたつにつれ、木材が圧縮で縮んでくる。
これは、仕方ないところだろう。
 
中には、プロペラの中心部分にピアノ線を埋め込み、つぶれにくくしている工夫もある。
この場合でも、過信せずに飛行前のプロペラの増し締めは行ったほうが良いと思う。
 

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