DQ MASTERは、もともとカウリングのない構造ですが、今回は搭載するエンジンはDR60(後方排気)なので、エンジンやマフラーの冷却を考え、また、メンテナンス性を考え、カウリングをつけることにしました。
工作方法は、以前に紹介したので省略しますが、カウリングには、重要な機能が存在しています。
それは、適切な冷却を行う。
ということになります。
カウリングの冷却機能は、過去にUコン技術でも記事が掲載された経緯があり、興味のある方は、是非、一読してみることをオススメします。
当時と比べ、エンジンのデキが、ある意味よくなってきているので、冷却にあまり気をつけなくても充分に使用できるようになってきていることは確かなのですが、やはり、基本的なノウハウは押さえておいて、いつでも応用できるようにしておくとよいと思います。
今回使用するDR60は、MNT氏の機体で多く採用されている、実績のあるカウル形状を参考に決定しました。
カウリングデザインは個性を象徴するところでもあるので、やはり、外せないところでしょう。
カウリングデザインは個性を象徴するところでもあるので、やはり、外せないところでしょう。
さて、DR60の冷却で問題になるのは、熱を持ちやすいシリンダー後方とマフラーに対して、いかに効率よく冷却を行うのか?
ということになります。
ということになります。
効率のよい冷却は、開放型にすれば、一番よく冷える、と考えがちになりますが、実はこれではよくないことが経験で理解しています。
考え方としては、より高速で大量な空気をエンジン表面に這わせるように流れさせるか、その流れを維持継続させるにはどうすればよいのか?がポイントになります。
空気はプロペラで押されてエンジンの正面に当たり、そこからエンジンのシリンダーを回りこんで後方に達します。
その間、空気は加熱され膨張を始めます。
その間、空気は加熱され膨張を始めます。
問題なのは、素直に回り込まないこと、剥離や渦を巻いて、極端に冷却機能が落ちることです。
冷却に不適なカウリングは、エンジンシリンダー後方で空気が渦を巻いて溜まりやすい形状です。
渦を巻いている部分では、エンジンで加熱された空気が対流してシリンダー後方に溜まりやすくなりますので、シリンダー後方だけが冷却不足となりやすくなります。
そうすると、シリンダーの後方の温度が上がり、金属が膨張します。
この不均一な膨張はシリンダーを歪め、スリーブを歪め、微妙なエンジンのクリアランスを保てなくなります。
結果、エンジンのゆがみに伴う摩擦が大きくなり、回転が上がったり、オーバーヒートに至ることになります。
そうすると、シリンダーの後方の温度が上がり、金属が膨張します。
この不均一な膨張はシリンダーを歪め、スリーブを歪め、微妙なエンジンのクリアランスを保てなくなります。
結果、エンジンのゆがみに伴う摩擦が大きくなり、回転が上がったり、オーバーヒートに至ることになります。
そのようにならないようにするには、エンジン後方に溜まりやすい温まった空気を効率よく排出すればよい、ということになります。
写真は、カウル内の気流の流れを説明したものです。
カウル形状は、経験によりあれこれ試しながら形状やクリアランスを決定してゆきます。
エンジン側面に沿って流れてきた気流は、細い隙間からエンジン後方に回りこませるようにします。
このときの隙間は1mm~2mm程度が、経験上よいと考えています。
エンジン後方のカウルの回り込みの度合いは、写真の通り、ホドホドにしています。
ここで絞込みすぎると、効率が悪くなるので、注意が必要です。
スピード機のように高速の場合は、もっと絞り込むことができるのですがね。
スピード機のように高速の場合は、もっと絞り込むことができるのですがね。
シリンダー後方は熱せられた空気を膨張させながら後方に導く部分になります。
ラッパ上に広がる形状にすることで、効率よく気流が加速されるようになるので、吸い込みがよくなります。
ある程度の長さを確保することで、吸い込み力を増加させています。
ラッパ上に広がる形状にすることで、効率よく気流が加速されるようになるので、吸い込みがよくなります。
ある程度の長さを確保することで、吸い込み力を増加させています。
熱せられた空気は、大きな排出口から効率よく排出されます。
排出口に多少ついたてを立てていますが、これはプロペラ後流による吸出し効果を高めるためです。
また、排出口は、マフラーの冷却空気を導く(上から下に流れやすい)役割も行います。
排出口に多少ついたてを立てていますが、これはプロペラ後流による吸出し効果を高めるためです。
また、排出口は、マフラーの冷却空気を導く(上から下に流れやすい)役割も行います。
これでも足りない場合は、排出口に斜めの板を立てて排出効果を更に高める方法もありますが、今回は省略しています。
エンジン冷却度合いは、エンジンを始動して、ノーズの下面に手をかざすと、よくわかります。
充分に暖かい熱風が感じることができれば、効果があることが認識できます。
充分に暖かい熱風が感じることができれば、効果があることが認識できます。
あと、キットどおりの工作である場合で第一胴枠とエンジンシリンダーの距離が極端に近い場合は、赤線で示したような冷却ダクトを設けたほうがよいと思います。
エンジンのすぐ後ろに胴枠がある場合は、エンジンと胴枠の間で空気が渦巻いて抜けないためです。
渦巻いている空気は加熱されっぱなしですから、エンジンが過熱して回転が不安定になりますからね。
ダクトを設けることで、渦巻いている空気がダクトで吸い出されるので、スムーズに空気が流れて冷却できるようになりますね。