Quantcast
Channel: Uコン復活のブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 464

模型飛行機を楽しむための、良い本 その10

$
0
0
イメージ 1
模型飛行機を楽しむための、良い本 としてご紹介したい本、第10弾は

「戦闘機「飛燕」技術開発の戦い」 碇 義郎著
です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

Uコンスタント機でもスケール機化しやすい形状であり、竹林氏の「飛燕」は、あまりにも有名ですね。
 
 
この本を読んで、実機の飛燕で、とても興味ある仕組み、構造であることがわかりました。
その仕組みとは、主翼を容易に前後できる構造、となっていたことです。
主翼の中央部は直線でレール状になっていて、容易に前後移動の調整が可能になっていたのですね。
実機でも重量分布管理は大変だったようで、設計時と工作が完了してからの重心位置の微妙なズレは、あたりまえに発生していたそうです。
また、軍からの要求で擬装品(機銃やその他装備)の変更は度々あり、その度に重心位置を設計重心位置にすべく調整が必要でした。
で、飛燕以外の戦闘機では、設計時に理想とする重心位置よりも多少前気味に重心位置がくるように設計し、機体が組みあがってから、テールに錘を搭載して調整する、という方法をとっていたそうです。
 
まあ、Uコン飛行機も同様の調整していますね。
この場合、どうしても全備重量が増加する、という欠点が発生します。
 
一方、飛燕では、主翼を前後させる仕組みがありましたから、このようなことが無く、重量増加なしで調整ができたそうです。
まるで、ゴム動力のライトプレーンのような調整を、実機でできたわけですね。
 
 
飛燕の写真です。
イメージ 2
 
 
 
 
 
 
 
 
うーん、格好いい!!
 
飛燕も液冷エンジンの生産が追いつかず、エンジンなしの機体がごろごろできてしまった経緯があり、
いっそのこと空冷エンジンを積んだほうがいいのでは?
ということで、出来上がったのが、5式戦ですね。
このとき、重心位置調整は非常に楽に済んだようで、主翼を前後させて調整、でOKだったそうですよ。

5式戦の写真です。
イメージ 3
 
 
 
 
 
 
 
 
 
実機での重心位置決定のプロセスですが、設計で大まかに決定し、実機の飛行テストで最終的な重心位置に調整していたそうです。
やはり、「好みの重心位置」は、飛ばしてみないと判らない、ということですね。
 
私の重心位置調整は、SH4Bの記事でも書いていますが、
設計段階で軽いエンジン周りの装備品で設計重心位置になるようにし、飛行させて重心位置が後ろ過ぎる場合はスピンナー、マフラー等を重いものに変更して足りない場合は錘を積むようにしています。
ついでに全備重量を調整するために重心位置付近にウエイトBOXも搭載してしまいましたがね。
 
Uコンの場合でも、実機「飛燕」のようにレール式にして主翼を前後できるような構造も考えられないこともないですが・・・
強度、耐久性の確保、軽量化を考えると難しいと思います。
そのうちどなたかが実現してきたら、と期待しておきましょう。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 464

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>