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開発秘話 フラップやエレベーターの後縁の形状って

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フラップやエレベーターの後縁の形状って尖らしたほうが綺麗だし、抵抗も少なそうだし、性能がよくなるのでは?
なんて考えるのは、よくあることです。
しかし、実際に尖らして工作して飛行させてみると、
「苦労して工作した割にはどうなのだろう?」と疑問がわき、他に手段ないの?
と思いついた方は、いろいろ実践して経験がある方である、とも言えるでしょう。
 
フラップやエレベーターを尖らして工作するのは、一見簡単に思いますが、
「正確な形状で工作する」となると結構難しいものです。
捩れや歪みが出やすいためです。
捻れ、歪みの影響は、ロール軸で傾く、といった弊害がてきめんに出てしまいます。
これは、折角の機体の性能を落とすことになり、残念な結果となりやすいですね。
それならば、もっと簡単に正確に工作したほうがよいのでは?
と考えるわけです。
そこで、後縁をぶった切る、丸める、といった方法を思い切って実践してみると、
ロール軸で傾きにくい、しかもニュートラル付近の舵がマイルドな感触となる、といった
まるでRCプロポでの設定のエキスポのような効果が出てくることに気がつきます。
 
 
大戦中の戦闘機設計で、主翼の後縁をワザと丸めて設計された機体があります。
これは、当時の設計事情によりあみ出された方法で、当時としては非常に大胆なことだったようです。
その時の主翼の後縁をワザと丸める理由は、
「主翼の空力計算が非常に楽になり、開発期間を短縮でき、性能差はそれほど発生しないと認められたため」
なのですがね。
我々が考える以前に、戦時中の戦闘機エンジニアがとっくに考えていたことだったのです。

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