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各種空力特性の考察 ボルテックスジェネレーターをつけると宙返りが・・・・

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私の友人からレポートがあがってきて、対策を検討中です。
 
機体はウクライナスタンター、なにを考えたのか、発作的にボルテックスジェネレーターを装着
(確かに流行っているからね)
 
理由はともあれ、何事も新しいことにチャレンジする姿勢は、人一倍ですからね。
大切なことです
 
で、結果は・・・・
 
1)角モノの引き起こしが楽になった。
2)連続宙返りでオーバーステアになってしまった。
 
本人の言葉、そのものです。
 
一体なのことやら?
 
ここから、分析の開始です。
 
機体の変化は、「主翼にボルテックスジェネレーターを装着した」だけです。
 
さて、優秀なパイロットの言葉、というのは、あくまでも「操縦感覚」の変化、体で感じたことを素直に表現しています。
ここで、大切なことは、「操縦感覚を素直に表現する」ことです。
この言葉をきいたときに、まるで判らないような言葉に思えることが多いですね。
逆に、判りやすい言葉で表現する方ほど、素直に表現していないことが多いですね。
ようするに、へりくつをつけて表現するパイロットは要注意、本質を捉えることができず、迷路に迷い込むことになりやすい、ということです。
「自分に正直に素直になれよ」ということでしょうかね。
嘘や隠し事はいけません、ましてや、「自分が恥をかく」なんて気持ちで言葉を差し替えたら、絶対に問題解決はできなくなります。
(恥という心は日本人の最大の美徳と考えています。ただし、恥の気持ちを言葉を差し替えて隠蔽したり、ゆがめた時点で科学的な分析が難しくなることは確かでしょう。)
私の友人は、そのようなことは発生しないので、その分、かなり楽です。
まあ、パイロットが私の場合は・・・・、多分、分析は困難で、迷路にはまり込むでしょうね、理屈こいてごねますから(笑)
 
 
で、1)はよいにしても、2)は問題です。
 
そこで、2)についてもう少し検討することにしました。
 
単純に「オーバーステアになる」というキーワードだけで調整を行うとなると、対策はいくつか出てきます。
いわゆる、舵が切れすぎるんだったら、舵が穏やかに切れるようにすればよい、ということになりますから、舵角を調整するとか、ハンドルピッチを狭くする、とかで調整完了、となるのでしょうがね。
しかし、今回はそうではありません。
キーワードに隠された「原因」を追究しなければ、結局は問題解決に至りませんからね。
 
近年、インターネットの検索エンジンの普及で、「キーワード検索」で問題解決した、ということに慣れっこになっている方が多いのですが、これは問題が多いと思っています。
問題の本質の追求が甘く、本質的な問題解決になっていない、という事例が多いためですね。
模型飛行機はそんなに甘いものではない、ということです。
 
原因の追究、これが大切なのですが、これは、「なぜ?」を追求することを意味します。
問題解決は、「どうすれば」が判れば解決できるのですが、「どうすれば」というのは複数存在しています。
数多くある「どうすれば」から最短で適切な「どうすれば」にたどり着くためには「なぜ」を見極めないといけません。
「なぜ」を見極めないで「どうすれば」を繰り返しても、答えにたどり着かないことになるのが常です。
また、問題の本質を捉えた対策でない場合は、かならず副作用が発生します。
対策->副作用->副作用対策->さらなる副作用->・・・・・・ 結局問題解決できませんね。
模型飛行機の場合、特に、この悪循環に至ることが多い。
だから、私は面白い、と思っているのですがね。
 
さて、ボルテックスジェネレーターの装着により、なにが変化したのでしょうか?
これは、「なぜ」の追求ですが、すでに私のブログ
「各種空力特性の考察 ボルテックスジェネレーターの利用価値」
http://blogs.yahoo.co.jp/jpn33f134043/26523424.html
で明らかにしています。
よって、ウクライナスタンターにボルテックスジェネレーターを装着したことで、なにがおこっているのか?
は明白になります。
まあ、このブログ記事の内容で、ピンと来る方はなかなかいないな、とは感じてはいたのですが、ようやっと、理解を促進できる良い事例にめぐり合え、感謝したしだいです。
 
今回のボルテックスジェネレーターは、気流を剥離させにくくする方向で機能している、と判断できます。
これは、
1)角モノの引き起こしが楽になった。
で明らかです。
「引き起こしが楽になった、ということは、沈み込みがすくなくなったということだよね」と質問すると「そうだ」との答え。
つまり、高仰角、大きなフラップ角度でも気流が剥離しにくくなり、浮きやすくなっている、ことは明白ですね。
(もっとも、これを期待としてボルテックスジェネレーターを装着するわけですね
 
一方、宙返りではオーバーステアになってしまう、という副作用が出ています。
宙返りでは、角モノほど、仰角が大きくなく、フラップ角度が少なめ、なのは明白です。
そこで発生しているボルテックスジェネレーターが引き起こしている変化とはなになのか?
ここを考察する必要がありますね。
 
さて、ボルテックスジェネレーターは、
「境界層の外側の気流を翼表面に導くことで、境界層の気流の運動エネルギーを補い、剥離しにくくする。」
という原理原則があります。
これは、何を意味するのか?
ですが、結局、機体の揚力を増大させることも確かですが、抵抗も大きくなる、ことも確かです。
揚抗比はどうなのか?ですが、これはなんともいえません。
FFの経験では、揚抗比が上がる場合、下がる場合、どちらもおこっています。
ここまで考えてくると、宙返りが小さくなる、のは、実は、「抵抗が大きくなったから」と理解すると納得できるようになりました。
宙返りの最中の仰角の範囲で、全体的に抵抗が大きくなっていると、どのように飛行するのか?
と考えた場合、演技中に、より減速しやすい傾向が出てくる、よって、2回目、3回目と宙返りが小さくなりやすい、
という結論に達しました。
 
この傾向は、スーパープライ等でも体験できるところになります。
 
つまり、原因は、「宙返りの最中に、機体が減速しやすくなっている」、という「なぜ」が判明しました。
 
よって、この対策は、宙返り時に減速しにくくする対策を行う、操縦方法でカバーする、等が考えられます。
 
ここまでくると、対策は的を絞ることができてきます。
この場合、リンケージやハンドルピッチをいじるのは得策ではなく、出力系の見直し、
つまり、プロペラ、エンジンの回転特性を変化させるのが得策になる、
という結論に達します。
他に、フラップの舵角を小さくする(エレベーターの稼動角を大きくする)もありえますが、
旋回の中心が変化するので、慎重な見極めが大切です。

もちろん、機体の軽量化、というのが根本的な解決なのですが、それでは作り直しになりますからね。
 
調整が成功すれば、より飛ばしやすくなることは明らかでしょう。

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