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クラス別ワイヤーテンションの考察(8) クラス別側面積効果の考察

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ワイヤーテンションのことを考える場合、周回秒数とワイヤー長の相関関係は計算で求めることができたが、馬力荷重と側面積効果を組み合わせると、必然的にその傾向が明らかになってくる。
 
今回のお話は、現在、大型機を自作自設計と飛行経験で、「なんとなく、この傾向があるよな?」と気がついていることになる。
 
ワイヤーテンションを変化させる要因は、飛行速度と遠心力、は確かに大きな要素なのだが、「側面積効果」も、結構、大きな要素となってくる。
 
私が導き出した傾向は、
小型機ほど側面積効果を大きくし、大型機ほど側面積効果を小さくしたほうが飛行させやすい傾向がある。
ということになる。
 
理由は、「人間の体で飛ばしやすくするためには、このようにする必然性が出てくる」になる。

私の経験では、クラス別側面積効果は、以下の通りとなる。
09クラス以下  大きな側面積効果が有効
15~25クラス  多少大きめの側面積効果が有効
35~45クラス  普通の側面積効果が有効
60クラス以上  小さめの側面積効果が有効
(側面積効果を、一般的に慣れ親しんでいる35~45クラスの機体を標準に考えて表現しています)
と考えている。
 
 
具体的に事例を示してみると、以下の通り整理できる。
 
・09クラス以下  周回秒数 4.2秒以下
小型機では、側面積効果のない機体で、F2Bを実施するうえで問題となるのは、周回秒数をとても早くする必要があり、操縦が追いつかない傾向が出てくる。
周回秒数4.2秒/1周 は、操縦が追いつかずにきつい、と感じる傾向がある。
(慣れの問題かもしれないが)
09クラスのスクラッパー胴体のF2B練習機は、
それなりに飛行させやすい周回秒数に設定すると、今度は、高い高度でのワイヤーテンションが不安定になりやすい。
これに対向するため、側面積効果を増して、上空でのワイヤーテンションを胴体の揚力(この場合円周外側に向かう力を現す)を増して補うと、飛ばしやすくなってくる。
イメージ 1
代表的な事例としては、室内Uコンスタント機のGeeBeeがある。
(GeeBeeは、世界選手権2連覇を達成したイゴアさんにより開発されたもの)
写真は、友人が飛行させているGeeBee
もちろん、F2Bを消化することができる驚異的な性能を持っている。
(Gセンサータイマーなしでも、F2Bが可能)
周回秒数は、400クラスモータでの飛行にもかかわらず、4.4秒~4.5秒でF2Bを飛行させることができる。
胴体側面積が大きく、胴体揚力が稼げるから可能な数字だ。
胴体側面積がないと、F2Bのフライトは上空になるほどワイヤーが弛んで無理になる。
この機体の出現で、
小型機ほど側面積効果を大きくし、大型機ほど側面積効果を小さくしたほうが飛行させやすい傾向がある。
ということに確信が持てた。

・15クラス 周回秒数 4.3秒/1周~4.4秒/1周
側面積効果が望めないスクラッパータイプの胴体でF2Bを飛行させる限界に近いエンジンクラス。
イメージ 2
代表的な機体としてはスタントマシンがあるだろう。
好調な周回秒数は、4.3秒~4.4秒/1周となり、F2Bを実施するには速過ぎてきつい周回秒数となってくる。
スタントマシンは練習機であるので、多少飛ばしにくくなっていても、練習して操縦技術を向上させたほうがよい、と考えると、これでよいことになるのだが。
つまり、スタントマシンは多少周回秒数を早くしないといけないので操縦がせわしなくなる、程度で、あとは、まったく問題がない。
かえって、操縦技術の向上となるだろう。
しっかりと、ニュートラルが出るし、結局飛ばしやすい。
 
側面積効果があると、多少周回秒数を遅くしても上空でのワイヤーテンションが保ちやすくなる。
手軽な機体として代表例は、プロフィール形式の胴体のビーバーあたりになるであろう。
この場合、周回秒数を4.5秒/1周 まで遅くすることが可能となってくる。
 
・20~25クラス 周回秒数 4.4秒/1周~4.5秒/1周
出力に余裕が出てきて、多少、工作が苦手で機体が重くなっても飛ばしやすい機体を入手しやすいエンジンクラスになる。
プロフィール胴体で側面積効果を増すと、さらに飛行させやすくなることを実感できる。
 
イメージ 3
写真は、「ブルーマックストレーナー20」
プロフィール胴体の本格的スタント練習機になる。
将来的に作成したい、と考えている今日このごろになる。

・35~45クラス 周回秒数 4.6秒/1周~4.8秒/1周
一般的なので、解説は省略する。
イメージ 4
写真は、35クラス オリジナルノーブラ 高い胴枠と広い側面積、バランスのよい側面積分布で風見鶏効果も良好な範囲となっている。
まさしく、胴体側面積分布のお手本となる胴体をもつ。
 
イメージ 5
写真は45クラス スーパーハリケーン4B ノーブラのような側面積分布のように思えるが、良く観察すると異なっている。
胴枠の高さが多少低くなっており、キャノピーは多少前進している。
やはり、胴体側面積分布についても、各種設計での煮ツメがあると考えられる。
 
・60クラス以上 周回秒数 4.9秒/1周~5.2秒/1周
60クラス以上となると、上空のワイヤーテンションの問題はなくなってくるのだが、別の問題が発生してくる。
側面積効果が大きいと、ワイヤーテンションが過大となり、腕が抜けてしまうことになる。
特に、エンジンが吹け上がり周回速度が上がった状態での水平飛行は、恐ろしい目にあう。
これでもか、というくらいワイヤーテンションが増すためだ。
こうなると、腕が抜けるし、F2Bなんてやってられなくなる。
近年、大型エンジン(60クラス以上)の機体も人気が出てきているが、成功事例の機体では、側面積効果はいずれも低い形状の胴体が好まれている。
ノーブラのように高い胴枠は、あまり好まれない。
 
イメージ 6
写真は、私が作成したDQ MASTER
胴体の側面積分布は、元設計の段階で胴枠の高さをノーブラに比べ低めになっているが、さらに側面積分布を多少見直し、大型エンジン向けに最適化を行っている。
もちろん、オリジナル設計の胴体側面積分布も優れているが、エンジン選択範囲の広い(45~60クラス)設計なので、大型エンジンを搭載すると、ちょっと物足りないかな?とも思えたので、60エンジンに合わせて多少カスタマイズして最適化を行った。
結果としては、良好なワイヤーテンションとなったが、もう少し、ノーズ上側の面積が少なくてもよかったかな?
という結果となっている。
 
 
ここまでの説明で注意してもらいたいのは、
「側面積効果と風見鶏効果は違う」ということになる。
風見鶏効果は、Uコンでは他の飛行機ジャンルに比べ小さめが好まれる。
ただし、エンジンクラス別に変化があるのか?というと、たいした変化はない。
 
風見鶏効果の大雑把な指標は、重心位置を境に側面積分布の割合で計測することになる。
一方、側面積効果は、胴体側面積全体で計測することになる。
あと、プロペラ後流の螺旋後流も配慮した面積分布も大きく影響する。
 
スタント機の胴体設計は、エンジンクラス別に好まれる側面積分布がある、ということになる。
 
ノーブラで発見された最適な胴体側面積分布も、エンジンクラスが変わってくると、いろいろと変化することになる。
 
この辺を捉えて、最適な胴体デザインを考えて見つけ出してゆくのが良いと思う。

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