Quantcast
Channel: Uコン復活のブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 464

エンジンをなんとかしよう その7 Starker81の慣らし運転見直し

$
0
0
イメージ 1
 
とりあえず、1時間ほどテストベンチで慣らし運転を行いましたが、過去に経験した、他のエンジンほどアタリが取れていると思えないほどPCが渋いです。
とりあえず、エンジン始動にてこずらない程度の渋さになってはいますが。
 
こりゃあ、なにか、勘違いしているんでないの?
と、いろいろ考え直し、MNTさんに相談することにしました。
 
結果、
PCセットはABC(ピストンはアルミ、スリーブは真鍮にクロムメッキ)
ピストンは、ほとんど成長しないタイプ、ということが判明しました。
また、MNTさんの実績のある慣らし運転方法は、1リッター程度テストベンチで慣らし運転後、機体につんで30フライト程度消化するとパワーが上がってくることを実感できる、とのこと。
 
1回のフライトで220CC程度消費しますから、全部で約8リッターの燃料を消費することになります。
いやー、私もこの調子で慣らし運転を行ったら「やっぱり、Uコンエンジンは8リッターの燃料を消費して慣らし運転を行わないといけないよな」と自慢できそうです。
 
 
では、このまま、8リッターの燃料をテストベンチで消費させて慣らし運転が完了するのか?
というと、たぶん、機体に積んで飛ばしたら、スカタンエンジンになって、ブレークインを通り過ぎてブレークアウト(私の造語、ブレークインだけでエンジンの寿命が尽きること)になるでしょう。
  
問題は、「現状のテストベンチ運転環境のままでは、機体搭載時の燃焼温度よりも低い温度ですり合わせができてしまい、機体搭載時の高い燃焼温度ではスリーブが余計に膨張し、ピストンが磨り減りすぎてしまう結果になり、スカタンで、本来のパワーが出ないことになる」
ということです。
ABCタイプのPCセットは、燃焼温度が高いほどピストンに比べてスリーブが膨張する傾向があります。
ピストンは鉄でなくアルミなので、ほとんど成長しません。
(まあ、もともとABCのPCセットが固い加工がされているのは、そのためなんですけどね。)
ということであれば、実際にフライトさせ(最初は甘めのニードルから飛ばし始めて)燃焼温度を実際のフライトで使用する温度としてランニングインを行うほうが確実にエンジンが仕上がることになりますね。
まさしく、MNTさんの慣らし運転の方法は理に適っている事をあらためて認識できます。
 
 
じゃあ、飛行させながらランニングインを行えばいいんじゃないの?
ということになるのですが、私の環境では、それほど短期間に30フライトを消化できる環境がありません。
また、飛行時のニードル設定の失敗は、即エンジン焼付け等の可能性も高く、リスクも多いですね。
Uコンの場合、一度飛び立ってしまったらニードル調整はできません。
RCでしたら、即着陸させて再調整も可能なのですがね。
 
 
ということで、テストベンチで飛行時の燃焼温度に近い状態にする方法を考え直すことにしました。
当然、最終的にはフライトさせてのランニングインでの仕上げは実施しないといけませんが、30フライトでなく、多少でも飛行回数を減らすことができたらなあ、と考えています。
 
 
方法は、いくつかあります。
 
1)ニトロメタンの量を減らす。
ニトロメタンの含有量と運転温度の関係ですが
ニトロメタン多い->運転温度が下がる->圧縮比は実質的に高くなる
ニトロメタン少ない->運転温度が上がる->圧縮比は実質的に低くなる
 
2)圧縮比を上げる
圧縮比を上げる->運転温度が高くなる
圧縮比を下げる->運転温度が低くなる
 
3)ニードルを絞る
ニードルを絞る->混合気が薄くなる->運転温度が高くなる
ニードルを開ける->混合気が濃くなる->運転温度が低くなる
 
4)プロペラの負荷を大きくする
プロペラの負荷を大きくする->運転温度が高くなる
プロペラの負荷を小さくする->運転温度が低くなる
 
5)キャブレター口径を変える
口径を大きくする->混合気の量が増える->出力が大きくなる->運転温度は?
口径を小さくする->混合気の量が減る->出力が小さくなる->運転温度は?
残念ながらわかっていません(笑)

プラグのHOT、COLDで直接運転温度が大きく変化することは期待できません。
あくまでも、適切なタイミングで着火させるのがプラグの役割ですからね。
もちろん、運転温度が変化すれば着火タイミングが変わってくるので適切なプラグの熱価が変わることにはなりますがね。
 
 
と、またまた複雑なパズルを解かないといけないようになりましたね(笑)
 
 
エンジンのオーバーヒート(焼付けや歪み)を防止しつつ運転温度を高くすることが最重要項目になります。
となると、むやみにニードルを絞ることはできません。限界がありますしね。
ニードルを絞って運転温度を高くして、かつ、充分な潤滑を行うためには、オイルの含有量を増やす、という工夫はありますがね。
 
 
圧縮比の調整は、エンジン分解によるエンジンの歪み発生のリスクがあります。
少なくとも、分解、組み立て後は、1タンクほどランニングインを慎重に行う必要性が出てきます。
となると、残りはニトロメタンの量とプロペラの負荷になるのでしょうね。
 
 
プロペラの負荷ですが、実際に飛行させるプロペラを用いてテストベンチでまわしても、明らかに負荷が大きくなってしまいます。
理由は簡単で、「テストベンチは前進しない」ためですね。
機体の場合は、ある程度の飛行速度がありますから、プロペラに風が前から吹き込んできます。
これは、実質的にプロペラのピッチを下げる効果になっていると解釈できますね。
つまり、飛行中の負荷は、地上で回転させているときよりも軽いことになります。
よって、テストベンチで、実際の飛行で用いるペラをまわしても、オーバーロード状態となってしまいます。
ということで、テストベンチでのブレークインの最終段階では、実際の飛行で用いるプロペラよりもピッチの浅いものでテストベンチでの仕上げを行う、という方法はありそうです。
ダイヤを小さめにする、という手段もありますね。
 
 
ニトロメタンの量を減らしても運転温度を上げる効果が出てきます。
ただ、程度についてはなんとも経験がたりません。
あと、燃料で注意することは、ニトロメタン含有量を変えたつもりなのに、オイルも変わってしまった、という失敗です。
オイルの品質、含有量を変更せずにニトロメタンの含有量を変化させる手っ取り早い方法は、
「同一銘柄で、異なるニトロメタン含有量の燃料を買い求めて使用する」方法になります。
 
幸いなことに、今回使用する燃料は、THCのF2Bシリーズを選択しています。
THCのF2Bシリーズは、同一のオイル品質、含有量で、3%、7%、12%のニトロメタン含有量を選択できます。
よって、THC F2B-3 を慣らし運転に使用することで、実際のフライトでは7%、12%を選択することが可能になりますね。
 
 
前回までのテストベンチでの運転で、エンジンの様子を見ますと、オイルの付着状態等から、あきらかに運転温度が低すぎると判断しています。
このままテストベンチで運転を続けても、運転温度が低い状態でピストンが磨り減ります。
この状態で飛行させると、運転温度が上昇し、スリーブのほうが余計に膨張しますね。
結果、スカタンエンジンとなってしまい、それなりの出力しかでないことになりそうです。
よって、燃料のニトロ含有量を減らし、様子を見ながら段階的に負荷の高いペラに変更しつつ、テストベンチでの運転を行い、最終的には飛行させてランニングインを行うことで対処するしかなさそうですね。
 
大変なことは、経験が少なすぎる、ことでしょう。
 
 
また、仮に、ピストンをすり減らしすぎた場合、実際のフライトの運転温度を下げてやって、適切なクリアランスに近くすることも可能性としてはあります。
この場合、エンジンの付属パーツであるガスケットを挟めば圧縮比が下がり運転温度を下げることは可能になりますし、ニトロメタンの含有量を増やして運転温度を下げることも可能になりますね。
 
ということで、ある程度逃げ道もあるようなので、あとは、実践してみようと考えています。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 464

Trending Articles