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クラス別ワイヤーテンションの考察 (6) フェニックス15 3号機の場合

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今回、実際にフェニックス15を飛行させることで、クラス別ワイヤーテンションの考察における
「実際の感触とデータ」を取得することができました。
 
クラス別ワイヤーテンションの法則を見出すために、運動力学から様々な観点から考察したのですが、
結局、テンションGの値はほぼ一定になるだろうと見当がつきましたので、各種ワイヤー長、エンジンクラスの一般的な実績から導き出して表を作成しておきました。

フェニックス15 3号機では、ある程度あたりをとってワイヤーの長さを決定したのですが、どうやら、大きく外れていないことがわかり、ほっとしたしだいです。
実は、フェニックス15 2号機では、ワイヤー長が短すぎ、周回速度が速すぎ、あれやこれや悩んだものです。
 
本来、適切なワイヤーの長さは、エンジン出力と関連性があるはずで、たとえば、エンジン出力がわかれば自動的に最適なワイヤー長がわかるような方程式があればよいですが、一般には知りえる情報はありませんでした。
ならば、自分で青空風洞で確認すればよいと考えたわけです。
具体的な方程式は、各種エンジンクラスの実際を調べて、帰納法で方程式ならびに係数を求めればよいわけですが、けっこう大変でしょうね。
 
さて、運動力学的な観点から、本来、求めたい方程式は、以下のとおりとなります。
ワイヤー長=f(出力・・・) が求めたい方程式となります。(y=f(x)とするとy:ワイヤー長、f():方程式、x:出力、・・・その他必要な可変要素)
ところが、いきなり出力、・・・で計測しようとしても、「無理」ですね。
(・・・の要素が全て明らかになっていないし)
とりあえず、出力からワイヤー長に至る、各種要素を洗い出して見ますと
出力=推力×距離/時間
推力=燃料熱容量×出力効率×プロペラ効率係数
推力と抗力は、水平飛行中は反対向きで同じ大きさなので
推力=抗力
抗力=機体抗力+ワイヤー抗力
ふう、いつまでたっても計測可能な計算要素にたどり着きません(笑)
 
計測可能な計算要素は、周回速度、エンジンのカタログデータの出力は計測可能なんですがね。
それならば、計測可能な計算要素から、実際のデータを取得して傾向をつかんで方程式を導き出す方法であれば
実用可能な法則(当然、誤差はあるが、あまり外れないことになる)が見つかるのでは、と考えるわけです。
今回、フェニックス15でとりあえずデータ取りしましたが、まだ15クラスのエンジンのみの結果しかありませんので
今後、様々なエンジンでのデータ取りを行う必要があるでしょうね。
 
あと、今回、幸か不幸か周回速度4.3秒~4.9秒までの経験をすることができました。
各速度のワイヤーテンションの具合は、実際に体で経験することができ、テンションGは3以上でなければスタントが不可能であることの実感を得ることができたのは幸いでした。
 
とりあえず、
16.7m= 適切なワイヤーの長さを求める(BLODAK15、AP8×6W、フェニックス15、012-60ワイヤー、Uコン復活の設定)
という関係は明らかになったようですが、これでは、とてもとても適切なワイヤーの長さを導き出す法則にはなっていませんね(笑)
今後、実際にいろいろ飛行させてサンプリングを増やして方程式を導き出せれば幸いです。
 
あと、ワイヤーテンションの向上のための空気力学的な仕組みがいろいろあります。
・プロペラの首翼効果(サイドスラスト、ラダーオフセット、ラインガイド位置、ノーズモーメント等で調整)
・胴体の空力効果(胴体側面積分布、プロペラ後流、胴体容積等、これは設計で調整するしかない)
・主翼の空力効果(ローリングすることで揚力の一部をワイヤーテンションに加担させる方法、水平飛行では発生なしとする)
などなど。
フェニックス15 3号機では、とりあえずできるだけ円周の接線方向にまっすぐ飛ぶようにセッティングする。
という方針としました。
よって、ワイヤーテンションは、できるだけ遠心力の要素を大きくする、ということになると思います。
 

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