スーパープライEp-Zのフライト性能について電動Uコン機の特性というものも理解できて来ました。
ということで、次なる機体のコンセプトを整理してみました。
1)出力は25クラスエンジン相当とする。
モーターは、ホビーネット製 PMBM-25B を選択しました。
理由は、
・エンジン出力相当の名称をつけていてわかりやすいこと。
・モーターとプロペラの組み合わせの実測データが得られること。
・値段が妥当であること。
・KV値が比較的低い 1050 であること
今後のスタント練習を考えると、多少でも飛ばしやすさを求めたほうがよいと思います。
スーパープライEp-Zでは、苦労しながらも風を捌き、それなりに墜落を回避するまでの腕前になってきているので、ここで一気に飛ばしやすい機体にしたほうがよいと考えました。
そのためには、多少でも出力に余裕を持たすことは大切ですが、いきなり大型機では、墜落時のショックも大きいでしょう。
ということで、25クラス相当の出力がよい、と判断しました。
2)出力が大きい分、胴体側面積でのワイヤーテンション確保の機構を充実させる。
胴体側面積の効果でワイヤーテンションを確保する方法を用いてみます。
ちなみに、この方法は、60クラス以上の大型エンジン機で用いすぎると、「腕が抜ける」という逆効果が出てきます。しかし、45クラスまでは積極的に活用したほうが有利に思います。
35クラスの機体がもっとも側面積効果を有効に活用している名機が多いことも確かでしょうね。
このとこにより、45度以上の高度でのテンション、8の字モノの交点のテンションを確保しやすくなるので、操縦は楽になると思います。
3)上昇、降下での速度変化をできるだけ抑える設計とする。
本来、大出力であるほうが、この特性を実現しやすくなります。
しかし、今回は25エンジンクラス、ほどほどにしないと、飛ばなくなります。
4)小型軽量で、精度高く工作できる構造とする。
胴体は、普通は「プロフィール」で、と簡単に発想しそうですが、これは採用しません。
理由は、軽く丈夫にするのが難しいため、です。
確かに材料点数が少ないのでその分楽、に思いますが、逆に、
・エンジンスラストラインの精度が出しにくい。
・尾翼のロール軸方向の捩れ強度が出しにくい。
・厚い良質なバルサが必要になる。
ということがわかってきたので、プロフィールは採用しないことにしました。
今回は、従来から私が過去に工作してきたコンペモデルのスタント機の構造を採用し、
軽量、精度高い、工作が可能とするものとします。
ちなみに、本ブログでは、私のコンペモデルについては解説しませんので、大会等で
実物を見ていただければわかります。
材料は、高精度のレーザーカットで切り抜くので、工作ははるかに簡単になります。
5)翼型は独自翼型を設計して採用します。
これも、私のコンペモデルで性能評価ができている翼型、または、25エンジンに合わせた翼型を用います。
6)電池BOXは、広くして、重心位置調整を容易にする。
ノーズは、重量分布を計算し、最適重心位置で最適となり最軽量となることを重視して設計します。
結果として、ノーズは短く、は目指しません。
というのも、メリットをあまり感じないためです。
たとえば、本格的なコンバット機等では、ノーズは短いほうがよいと思います。
タイトターンを複雑に連続して飛行させるコンバット機は、ターン時の減速を少なくし、すばやい旋回の繰り返しの連続線で飛行させます、つまり、常に旋回し、その方向、大きさが常に変化する、ことが求められ、当然、真っ直ぐ飛ぶ用がない場合は、短いほうがはるかに有利になります。
こうなると、回転慣性は小さく、が最重要になります。
一方、スタント機では、直線、一定半径での曲線の組み合わせであり、不連続な半径での飛行は求められていません。
瞬間的な回転慣性の大きさの影響は出ますが、結局、瞬間で終わります。
逆に、「瞬間」で飛行させるテクニックが大切なのですがね。
私の場合は機体の自律安定性(つまりニュートラル)を重視しています。
結果として、「ハンドルでの常に機体を押さえ込んで安定させる」必要はなくなります。
また、プロペラの首翼効果は、長いノーズでは不安定要素となりますが、あくまでも仰角が大きいときに発生する効果なので、「瞬間的に旋回させる」時には舵が切れやすくなりますから、かえって好都合ともいえます。
また、長めのノーズはワイヤーテンションの安定した引っ張りに大いに効果があります。
ノーズを長くすると、その分、サイドスラストも減らせます。サイドスラストは推力を減らす方向に働きます。
サイドスラストを0にすることで、モーター出力を無駄に消費させることも避けることができます。
こう考えると、むやみにノーズを短くしてもメリットは少ない、という結論になっています。
その分、機体の大きな回転慣性を瞬間的に押さえ込むことが大切なことになります。
操縦スタイルの違いで、機体の設計が180度変化してしまうのは面白いところですね。
もっとも、ニュートラルが出せないと、ダサい飛びになってしまいますが。
長いノーズ、といっても、最大で1.4までしか試したことはありませんが、1.2~1.3程度となると考えています。
7)主翼構造はDQ-MASTERを参考に。
MNT氏のDQ-MASTERの構造は、作ってみて、飛行させてわかったのですが、簡単に軽量で充分に性能のよい主翼を作れます。
ねじれ易い、という欠点は、パイプジグとスパーから前縁のスペースに取り付けたトラスで克服できることがわかりました。
リブのカットが大変ですが、ここはレーザーカットで行いますので、問題なくなります。
作りやすく、強度も充分で、むやみに重量が増えやすいリスクが激減し、翼型性能もそこそこ実現できます。
本来の翼型性能を発揮、それも厳密に、となるとフルプランクしかありませんが、工作がむやみに難しくなります。
ということで、DQ-MASTERのような構造を採用することにします。