今回、DQ MASTERの私のフライト評価も終わり、非常に高い性能のポテンシャルを確認できましたが、やはり、MNT氏の基本設計のレベルの高さと、私なりにいろいろアレンジしたことが良い結果に結びついたと思います。
まず、最初にお断りしておかないといけないことは、今回のカスタマイズは、あくまでも大型の60エンジンを搭載するために、実施した、ということです。
一般的に多く採用されているOS46LAを搭載するのであれば、カスタマイズなしのほうが良いと思われます。
また、あくまでも、「私好み」のフライトを実現するためであり、万人向けの性能を目指しているわけではありません。
といっても、D級検定に合格するために最優先の要件の性能を実現する、ことを目標としていますから、私向けの好みと共感していただける方には、是非、参考にしていただきたいと考えています。
DQ MASTERは、元設計は、MNT氏の設計であるところは皆さんご存知のところですが、キット内容で作成されている機体は全国で飛行しているところでもあり、私も、大会見学等で機会ある毎に飛行ぶりは拝見していました。
さて、そんななか、自分なりのDQ MASTERを作成するにあたり、自分好みにする必要性を感じ、いろいろ思案して、カスタマイズしたことは確かです。
今回、無事飛行し、高いポテンシャルを確認できたところでもあり、カスタマイズがある程度成功したと認識できたので、その内容について多少公開してゆきたいと思います。
カスタマイズ要件は、以下の通りです。
1)堅牢、軽量であること
2)自分好みの操縦特性の実現
・確実な操作性の向上
・馬力加重の見直し、翼面加重の見直し
・確実な操作性の向上
・馬力加重の見直し、翼面加重の見直し
となります。
1)堅牢、軽量であること(構造面での配慮)
もともと、構造が単純であり作りやすいことは、キット図面を確認すればよくわかります。
しかしながら、単純ゆえに堅牢さが足りないとことも多少あるようで、その部分についてカスタマイズしています。
しかしながら、単純ゆえに堅牢さが足りないとことも多少あるようで、その部分についてカスタマイズしています。
機体重量については、もともと軽量なキットであるので、それほど苦労せずに軽量化が可能となりました。
バルサの材質も非常によく、適材適所で、より軽量なバルサとなっていました。
軽量フイルムの多用と、接着剤の使用部分が少ないことは、軽量化に貢献してきます。
バルサの材質も非常によく、適材適所で、より軽量なバルサとなっていました。
軽量フイルムの多用と、接着剤の使用部分が少ないことは、軽量化に貢献してきます。
・主翼
オリジナル設計の主翼は、飛行に充分な強度がありますね。
ただ、捻れ強度は物足りなく、トラスを入れてねじれ強度を飛躍的に向上させました。
このことにより、正確な主翼が作りやすくなりました。
ただ、捻れ強度は物足りなく、トラスを入れてねじれ強度を飛躍的に向上させました。
このことにより、正確な主翼が作りやすくなりました。
もちろん、翼型は、オリジナル設計のものが優れているので、そのままです。
もっとも、翼型を変更するとDQ MASTERではなくなるので、この辺は、そのままとしています。
また、捻れ強度向上のためには、前縁プランクを行ったD-BOXも有効ですが、
・翼型が変わってしまう。
(もともとDQ MASTERは前縁プランクなしで、良い性能を発揮する翼型となっている)
・重量が重くなる。
・重量分布が翼端に向けて分散しやすい
・強度が過剰になってしまう。
ということになり、有利になることはなにもないと判断しました。
昔のキットは、翼型設計も過渡期で、充分な空力性能が出ない、なんて時代もありました。
改善するためには、厚翼にして性能改善、そのためには前縁プランクをする、という手段が有効とはなりますが、DQ MASTERに関しては、MNT氏の翼型設計が優れているため、かえって空力性能の劣化となるように思いますね。
時代が変わった気がします。
軽量化については、とにかく強度の必要性のないところは肉抜きを行い、また、不要なプランク材は幅を狭くする等により軽量化を図りました。
逆に、フラップについては、オリジナル設計のとおり、一切の肉抜きは行っていません。
大型エンジンを用いる方針でしたので、舵関係の撓みは操縦特性に悪影響を与えますからね。
大型エンジンを用いる方針でしたので、舵関係の撓みは操縦特性に悪影響を与えますからね。
・尾翼
ほぼ、キットそのままの工作としました。
大型エンジンを搭載することを考えると、重心位置が前気味になることは避けられません。
よって、オリジナル設計のとおりの重量+数グラム程度で作成することにしました。
ほぼ、キットそのままの工作としました。
大型エンジンを搭載することを考えると、重心位置が前気味になることは避けられません。
よって、オリジナル設計のとおりの重量+数グラム程度で作成することにしました。
水平尾翼のプランク等も検討しましたが、やはり、DQ MASTERの本来の性能でなくなると考え、オリジナルのままとしています。
追加したパーツは、中央部のカーボンキュアシートでの補強(1g程度)となります。
フラップ同様、オリジナル設計のとおり、エレベーターの肉抜きは一切行っていません。
フラップ同様、オリジナル設計のとおり、エレベーターの肉抜きは一切行っていません。
・胴体
ほぼ、キットのままで、テール部分についてはオリジナルそのものの寸法になります。
ノーズの長さ、ノーズの幅については、大型エンジンを搭載するために多少の寸法変更を行いました。
ほぼ、キットのままで、テール部分についてはオリジナルそのものの寸法になります。
ノーズの長さ、ノーズの幅については、大型エンジンを搭載するために多少の寸法変更を行いました。
特に配慮したのは、ノーズ部分の強度向上と軽量化となります。
ノーズ部分の補強のため、1mmベニアの側板で置きかえ、マウント材もノーズリングにかかる長さのものに変更しました。
当然、そのままでは重量が増えてしまうので、オリジナルパーツで組んだ場合と同様の重量となるように、これでもか、というくらい肉抜きを行いました。
もともと、固い、重い材料ですので、肉抜きによる軽量化の効果は大きく、それほど強度は落ちません。
ノーズ部分は、エンジンの高周波の振動を受け止めるパーツですので、硬度は大切で、肉抜きにより振動の減衰効果を高め、共振しにくい特性を生かしました。
また、ねじれ強度が高くなる形状に変更し、これも、エンジン振動をきちんと受け止める工夫としました。
このことにより、大型エンジンがスムーズに回転し、エンジンの歪みを排除しやすくなる工夫となっています。
ノーズ部分の補強のため、1mmベニアの側板で置きかえ、マウント材もノーズリングにかかる長さのものに変更しました。
当然、そのままでは重量が増えてしまうので、オリジナルパーツで組んだ場合と同様の重量となるように、これでもか、というくらい肉抜きを行いました。
もともと、固い、重い材料ですので、肉抜きによる軽量化の効果は大きく、それほど強度は落ちません。
ノーズ部分は、エンジンの高周波の振動を受け止めるパーツですので、硬度は大切で、肉抜きにより振動の減衰効果を高め、共振しにくい特性を生かしました。
また、ねじれ強度が高くなる形状に変更し、これも、エンジン振動をきちんと受け止める工夫としました。
このことにより、大型エンジンがスムーズに回転し、エンジンの歪みを排除しやすくなる工夫となっています。
カウリングは、本家BMに習い、エンジンの冷却の配慮と取り扱いの容易さ、高い耐久性を求めた、軽量な形状としました。
この形状は、本家BMでは定番の形状となっていて、その蓄積されたノウハウには頭が下がる思いですね。
バルサのカウリングは、FRP等と異なり、加工の容易さ、精度の高さ、軽量、振動の吸収面で有利であると考えています。
この形状は、本家BMでは定番の形状となっていて、その蓄積されたノウハウには頭が下がる思いですね。
バルサのカウリングは、FRP等と異なり、加工の容易さ、精度の高さ、軽量、振動の吸収面で有利であると考えています。
2)自分好みの操縦特性の実現
結局、主翼翼端を4cmづつ短くすることで、実現可能である、との思いに至り、そのとおり工作しました。
結局、主翼翼端を4cmづつ短くすることで、実現可能である、との思いに至り、そのとおり工作しました。
もともと、主翼翼端を短くする、というカスタマイズは、中高生大会においての機体開発で実施した手法となります。
中高生大会を経験された方々はご存知と思いますが、当時の規定では、上限の排気量は30クラスまで、となっていました。
そうすると、既存の35クラスのキット、名機の図面は何とかなりますが、実際に30エンジンで飛行させると、明らかに非力な飛行になってしまったものです。
そこで、いろいろ検討した結果、「主翼のみを短くすれば、最短の工数で充分な性能を得られるのではないか?」というアイディアが生まれました。
当然、一から設計、という手もありましたが、忙しい中、なんとか成果を上げたい、との苦肉の策だったわけです。
早速、キットをカスタマイズして飛行させると・・・・
非力感はなくなり、旋回性能も変わらず、逆に、操縦が素直になった、という経験があったのです。
中高生大会を経験された方々はご存知と思いますが、当時の規定では、上限の排気量は30クラスまで、となっていました。
そうすると、既存の35クラスのキット、名機の図面は何とかなりますが、実際に30エンジンで飛行させると、明らかに非力な飛行になってしまったものです。
そこで、いろいろ検討した結果、「主翼のみを短くすれば、最短の工数で充分な性能を得られるのではないか?」というアイディアが生まれました。
当然、一から設計、という手もありましたが、忙しい中、なんとか成果を上げたい、との苦肉の策だったわけです。
早速、キットをカスタマイズして飛行させると・・・・
非力感はなくなり、旋回性能も変わらず、逆に、操縦が素直になった、という経験があったのです。
今回は、大型エンジンになり、逆に、主翼を大きくしたい、と考えるのが普通かもしれませんが、私は、あえて、逆の方向を選んだことになります。
DQ MASTERの目的は、高度な曲技を、より高い性能で実現することではなく、基本に則った演技の消化となります。
より高い性能で実現することは、機体の特性をピーキーなものになりやすい傾向があるのですが、それでは扱いにくくなり、意味がありません。
よって、翼面加重を犠牲にしてでも操縦特性を向上させる
方向を選んだことになります。
より高い性能で実現することは、機体の特性をピーキーなものになりやすい傾向があるのですが、それでは扱いにくくなり、意味がありません。
よって、翼面加重を犠牲にしてでも操縦特性を向上させる
方向を選んだことになります。
幸いなことに、もともと軽量であり、馬力加重は向上しています。
参考にした翼面加重は、キットそのままの翼面積で最大重量の1450gの翼面加重ですが、翼面積を小さくした分、軽量化に勤めれば、翼面加重は、それほど増加しないことになります。
それでも、多少翼面加重は増加しましたが、翼面加重の犠牲の問題は、ほとんど発生していませんでした。
それでも、多少翼面加重は増加しましたが、翼面加重の犠牲の問題は、ほとんど発生していませんでした。
それよりも、確実な操縦性、堅実な上昇性能と確実なワイヤーテンション、降下時の3ブレードペラによる適度なブレーキ効果、と、非常に飛ばしやすい特性を得ることができましたね。
特に、フラフラせずに堅実に飛行サークルをトレースする飛行特性は好感が持てます。
胴体については、結局、側面積配分の変更を行い、私好みにしています。
ポイントは、多少、垂直尾翼を低くし、面積を小さくして、その分、キャノピーを後方に下げ、ノーズ上面の側面積を多少増加させています。
側面積配分を変更しましたが、側面積自体は多少小さくした程度です。
ポイントは、多少、垂直尾翼を低くし、面積を小さくして、その分、キャノピーを後方に下げ、ノーズ上面の側面積を多少増加させています。
側面積配分を変更しましたが、側面積自体は多少小さくした程度です。
結果として、風見鶏効果を多少下げて、かつ、風の加速効果を下げる側面積分布とし、効果が出たようです。
大型エンジンですから、胴体側面積でのワイヤーテンション確保の効果は少なくてもいいわけです。
胴体側面積を増加させることは、「どこでもテンション」効果を向上させますが、大型エンジンでは、これは不利な要素となります。
水平飛行で腕が抜けやすくなりますので、ほどほどにしないといけませんからね。
飛行させた結果、ワイヤーテンションは引きすぎず、確実になった、という印象となりました。
あと、図面ではダウントリムを明確に提示されていましたが、ダウントリムはまったく入れませんでした。
この辺は、私好み、ということで理解していただきたいです。
(なんのこっちゃ?)
とりあえず、満足した性能が発揮されたことは幸いに思います。