揚力係数と揚抗比については、飛行機の性能に大きく影響するところです。
揚力係数は、Uコンスタント機で用いる速度域の場合、
大体、0.8~2程度、スタント機向けの良好な失速特性を両立させるとなると、1.6程度が上限となります。
一方、揚抗比については、Uコンスタント機では4~8程度が好んで使われている範囲で、スーパープライEp-Zはとても低いところ4程度、で飛行しています。
揚抗比についての計測は、一定の沈下率の滑空角で知りえることができます。
エンジンが停止して、石のように落下する、のは、揚抗比がとても低いことを示しています。
私が体験した、とっても揚抗比が低い飛行物体は、RCヘリであり、この場合
1~2とか3程度となっています。
もっとも、RCヘリのオートローテーションの侵入角は45度なっており、この場合揚抗比が1となりますから、なにも問題は発生しませんがね。
最も高いと思われる揚抗比は、鳥人間コンテストの滑空機部門の飛行で距離がもっとも長く飛んだ事例で計算できます。
この場合、50程度となりますが、理論計算では60程度までが可能なのでは?
と考えています。
さて、揚抗比が高いほうが少ない推力でより大きい揚力を得られるので、1.5m半径での旋回も可能になるのでは?とも考えられます。
もちろん、機体は超軽量で、(つまりは翼面加重となるのですが)ということになるのですが、これがなかなか難しい。
というのも、操縦できるの?という要素が存在するためです。
人間の反射神経には限界があります。
降下時にどんどん加速して、すばやくUPを引いて旋回させても、果たして1.5m±30cmの誤差の範囲で水平飛行とすることができるのか?それも再現性が高く、となると、非常に難しいところでしょう。
このへんの兼ね合いから、揚抗比については、Uコンスタントに関しては結構低めが好まれる傾向があります。これは、大型機であればあるほどその傾向が強いのが、近年の傾向に思えます。(どこかで逆転してくると思いますが)
結局、上昇での減速を少なく(逆に加速させて)、降下時の加速を少なく(逆に減速させて)操縦の負担を軽減し、を重視すると揚抗比は低めとなるですがね。
揚抗比の影響は、特に円モノで大きく影響してきます。
揚抗比が高いほうがスムーズに綺麗に、小さく回れる傾向があり、宙返りでの減速も少なくなる、逆に風が吹くと加速しやすくなります。
あと、翼面加重については注意が必要なところがあります。
ニュートラルとの関係です。
翼面加重が変化すると、最適なニュートラルのポイントが変化してきます。
ニュートラルが出せなければ、操縦がどんどん難しくなり、飛行コースの精度が低くなってきます。
この辺は、残念ながら経験によって確定する要素となっていて、計算しきれないところが多いため厄介なところです。
このへんの兼ね合いを考えながら、電動25クラスの設計を考えるわけです。
もちろん、翼型は平らな板ではないので、自由に翼型設計できます。
このへんの有利さを生かしていろいろ思案しているところですね。