Uコンにおけるワイヤーテンションというのは、まさしくマンマシンインターフェースに相当するところでもあり、操縦感覚に大きく関わってくるところでもある。
先日、ある大先輩の方と話題になったので、その一部をご紹介しましょう。
先日、ある大先輩の方と話題になったので、その一部をご紹介しましょう。
ワイヤーテンションの増大、減少は、直接操縦者の負担と不安に直結するところとなっているのは、Uコンを体験された方なら良く理解できるところでもあると思う。
わかりやすい事例としては、以下のようなところであろう。
わかりやすい事例としては、以下のようなところであろう。
1)小型機よりも大型機のほうがワイヤーテンションがしっかりしているので飛ばしやすい。
2)小型機よりも大型機のほうが上空でのワイヤーのたるみが少ない。
3)小型機よりも大型機のほうが周回秒数が遅いので飛ばしやすい。
2)小型機よりも大型機のほうが上空でのワイヤーのたるみが少ない。
3)小型機よりも大型機のほうが周回秒数が遅いので飛ばしやすい。
ここでいう小型機とは、15クラス、大型機とは45クラス、と考えていただければよいと思う。
確かに、Uコンの入門機である09や15クラスからステップアップして35クラス、45クラスを飛行させるようになると、とても実感として感じられる事は確かだろう。
一方、45クラスから60クラスにステップアップした場合はどうであろうか?
私も60クラスのスタント機を勉強するために、ウクライナスタンターの調整済み完成機を購入して飛行させたことがあるが、45クラスとはまったく異なることが多く、面食らいもしたが、多いに勉強させてもらった経験がある。
自分の感触では、35クラスから45クラスにスッテップアップした経験から、上記1)2)3)の延長となるであろう、と考えていたのだが、実はまったく異なっていた。
1)小型機よりも大型機のほうがワイヤーテンション大きくなりすぎ飛ばしにくい。
2)小型機よりも大型機のほうが上空でのワイヤーのたるみが多い。
3)小型機よりも大型機のほうが周回秒数が遅くタイムオーバーになりやすい。
ここでいう小型機は45クラスであり、大型機は60クラス以上となる。
(60クラスでは3)は発生しにくいが、75クラス以上になると発生してくる)
2)小型機よりも大型機のほうが上空でのワイヤーのたるみが多い。
3)小型機よりも大型機のほうが周回秒数が遅くタイムオーバーになりやすい。
ここでいう小型機は45クラスであり、大型機は60クラス以上となる。
(60クラスでは3)は発生しにくいが、75クラス以上になると発生してくる)
つまり、まったく相が変わる、いままでの延長線上での考え方では、うまく行かない、ということを体験したことになる。
これは、大いなる発想の転換が必要で、対応方法が大きく変えないといけないことを表している。
これは、大いなる発想の転換が必要で、対応方法が大きく変えないといけないことを表している。
幸いなことに、ウクライナスタンターの完成度、調整度のレベルが非常に高く、よいお手本としてあまり違和感なく飛行させることが可能であったが、いわゆる、「エンジンクラスにより相が変わることに対処して、設計、工作、調整が適切に変えられていたのでうまく飛んでいたのだ」ということを後から知ったことになる。
(充分にレベルの高いポテンシャルを引き出すことができなかった、と反省しています)
(充分にレベルの高いポテンシャルを引き出すことができなかった、と反省しています)
今回は、ワイヤーテンションの考察から、このことについていろいろ考察してみようと思う。
要するに、「なぜ?違和感なく飛行できるのか?そのポイントはなになのか?」という原因追求の考察とも言える。
要するに、「なぜ?違和感なく飛行できるのか?そのポイントはなになのか?」という原因追求の考察とも言える。
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上記の表は、私がエンジンクラス別にワイヤー長、周回速度の調整の目安としている表になる。
なお、実際に妥当であろうと経験から導き出したエンジンクラスは水色としている。
水色部分以外は、「こうであろう」という予測から導き出した数値であり、実績から導き出しているわけではない。(つまり、精度の保障はない)
また、ワイヤーの太さも異なるところもあるので、なんともいえないところも多いが、その辺はご容赦願いたい。
実際の調整は、あくまでも飛行させてみて、ワイヤーの長さを適切にしてもらいたいし、この表が絶対に正しい、ということでないことは理解して欲しい。
なお、実際に妥当であろうと経験から導き出したエンジンクラスは水色としている。
水色部分以外は、「こうであろう」という予測から導き出した数値であり、実績から導き出しているわけではない。(つまり、精度の保障はない)
また、ワイヤーの太さも異なるところもあるので、なんともいえないところも多いが、その辺はご容赦願いたい。
実際の調整は、あくまでも飛行させてみて、ワイヤーの長さを適切にしてもらいたいし、この表が絶対に正しい、ということでないことは理解して欲しい。
まず、ワイヤーの長さを妥当であろう、という予想のもと決定していった。
飛行半径の長さの最大長は21.5mとしているが、これはFAI F2Bのルールで明確に上限値が規定されているので、それを守っている。
飛行半径の長さの最大長は21.5mとしているが、これはFAI F2Bのルールで明確に上限値が規定されているので、それを守っている。
次に、周回秒数だが、遠心加速度が45クラスで3.6G程度を基準に数値を決定していった。
遠心加速度3.6Gというのは経験から導き出した数値であり、ウイングオーバーの頂点でワイヤーが弛みなく安心して飛行させることができる目安として用いている。
遠心加速度3.6Gというのは経験から導き出した数値であり、ウイングオーバーの頂点でワイヤーが弛みなく安心して飛行させることができる目安として用いている。
さて、「相が変わる」ことを目で見てわかりやすく理解するためには、グラフを用いるとわかりやすい。
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まず、「エンジンクラスとワイヤー長」のグラフから。
「相が変わる」というのは、グラフの傾きの変化で認識することができる。
このグラフの場合、09クラス、15クラスから45クラス、45クラス以上と3つに分類された。
実際には09クラスはかなり例外的になる。
このグラフの場合、09クラス、15クラスから45クラス、45クラス以上と3つに分類された。
実際には09クラスはかなり例外的になる。
15クラスから45クラスまでは、エンジンが大型化するほどワイヤーを伸ばすことになるが、
60クラスを超えたあたりからワイヤーを伸ばす割合が少なくなってくる。
つまり、変化率が変わってくることを認識することになる。
60クラスを超えたあたりからワイヤーを伸ばす割合が少なくなってくる。
つまり、変化率が変わってくることを認識することになる。
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次は、「エンジンクラスと機体重量」のグラフから
このグラフの場合、60クラス以上の機体の重量はほとんど増えないように、わざと数値を調整している。
というのも、グラフのテンションの数値に注意をして欲しいのだが、テンションが5.5Kgを超えないようにしたいためになる。
テンションが5.5Kgを超え始めると腕が疲れて(痺れて)操縦が困難になってくることが発生する。
実際、ウクライナスタンターのエンジンが吹けた時、そのワイヤーテンションはものすごく、腕が抜けるような経験をすることがあった。(私の調整ミスが原因なのだが)
となると、目安は45クラスのテンション5.5Kg程度が限界と判断できる。
というのも、グラフのテンションの数値に注意をして欲しいのだが、テンションが5.5Kgを超えないようにしたいためになる。
テンションが5.5Kgを超え始めると腕が疲れて(痺れて)操縦が困難になってくることが発生する。
実際、ウクライナスタンターのエンジンが吹けた時、そのワイヤーテンションはものすごく、腕が抜けるような経験をすることがあった。(私の調整ミスが原因なのだが)
となると、目安は45クラスのテンション5.5Kg程度が限界と判断できる。
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次は、「遠心加速度(G)」のグラフから
このグラフは、上空でのワイヤーテンションの確実性を読み取ることができる。
また、このグラフも75クラス以上の機体の遠心加速度(G)を小さくなるように調整している。
75クラス以上は、遠心加速度(G)が09クラスよりも小さくなってしまった。
この数値にしないといけない理由は、やはり、「腕が抜けるから」という理由になる。
このグラフは、上空でのワイヤーテンションの確実性を読み取ることができる。
また、このグラフも75クラス以上の機体の遠心加速度(G)を小さくなるように調整している。
75クラス以上は、遠心加速度(G)が09クラスよりも小さくなってしまった。
この数値にしないといけない理由は、やはり、「腕が抜けるから」という理由になる。
これらのグラフから読み取れる事は、35クラスから45クラスに進化した技術の延長で、そのまま60クラス以上の技術を確立する事は難しい、ということになる。
また、よく耳にすることだが、「Uコンスタント機は45クラスが最適なエンジンクラスで、60なんて必要ない」といったご意見を耳にすることがあるが、それもある意味納得できるところであろう。
しかし、可能性の追求というあくなき追求心は、これでは満足できないところもあることは確かだろう。
FAI F2Bが数年前からエンジン出力の上限を60クラスから90クラスに拡張された。
さて、本来、飛ばしにくくなるはずのエンジン出力増大のはずなのに、なぜ?
と考えると、FAI F2Bルール変更の意図も見えてくるように思えないだろうか?
技術的な方針としては、様々あると思うし、私が計算で求めた表の数字以外にも正解はあると思う。
ということで、ここ数年、研究を行っている。
まさしく、言うのは簡単だが、実現するのは難しい、という世界に突入していることになる。